ブランディング広告とは デジタル時代のマーケティング戦略

ブランドの認知度を高めるマーケティングの一つに「ブランディング広告」があります。そもそもブランディングとは、商品やサービスなどのブランドを形づくるための活動のことをいい、競合や類似商品と区別するのは名称だけに限ったものではありません。
提供価値や世界観などブランドを形作るためのすべての活動を通して行うものです。総合的に判断したうえで、競合や類似商品との差別化を図る目的があります。
なかにはブランディング広告について興味を持っているものの、具体的にどのような施策を行うべきかイメージできていない人もいるのではないでしょうか。
ブランドの認知拡大や集客のためにブランディング広告を出したいと考えている人向けに、効果的なプロモーション戦略のやり方について説明します。
また、ブランディング広告を使った最新トレンドの活用法についても紹介しますので参考にしつつ決めるようにしてください。
この記事でわかること
- ブランディング広告とは、メリットとデメリットについて
- ブランディング広告を成功させる、認知向上のための考え方
- 認知拡大に効果的なプロモーション戦略と成功事例
1. ブランディング広告とは?

ブランディング広告とは、企業や販売している商品・サービスの認知度を向上させるための広告です。ブランド力を高めるためのものになり、企業のイメージ戦略の一つとして知られています。ブランディング広告は、直接的に購入に繋げることを目的にしておらず、あくまでもブランドとしての認知度や理解度を深めるものです。もともとブランディング広告はテレビやCM、雑誌などの方法で行われていましたが、近頃は、SNSやWEBを使ったブランディング広告が主流となり行われています。
2. ブランディング広告のメリット
ブランディング広告を行うことで、得られるメリットはさまざまなものがあります。
なかでもよくあげられるメリットを4つ紹介します。

ブランド認知の拡大に繋がる
ブランディング広告を行うことで、ブランドのイメージを向上させ、認知を拡大することにも繋がります。どんなに魅力的な商品やサービスを展開していても、まずは知ってもらわないと意味がありません。競合の多い市場の場合、いかにポジショニングを確立できるか、強化できるかによっても変わってきます。ブランド認知の拡大は、ブランディング広告で一番重要なメリットといえるでしょう。
商品単価を向上させられる
ブランドに対して愛着が高まると、他の商品やサービスに対して興味を持つようになり、購入し利用する頻度も増えていきます。顧客によっては、商品の品質に十分に満足し、より高額商品の購入を検討するケースも出てきます。また、最初はお試し程度で単品での購入だった顧客も、セット購入など使う金額も増えていくケースも少なくありません。商品単価をあげても顧客離れの心配もなくなり、安定した利益に繋げることもできます。
集客力を高められる
企業にとって集客力を高められるかどうかは重要なポイントと言えます。実際に商品やサービスを提供している会社だけでなく、その商品やサービスの価値を伝えていく必要があります。また、ブランドに対して他社にはない愛着(特別感)を持てないと、集客力を高めるために優位であるとはいいきれません。
ブランディング広告を行いポジションを確立できるようになれば、宣伝活動や営業にかけるコストを抑えることにもできます。集客力を高めたいと考えている企業は、まずはブランドイメージが企業と顧客側で一致しているかどうか集客で意識してみてください。
リピーターを獲得できる
ブランドのイメージが高まると、商品やサービスに対して愛着を持つ人の割合も増えていきます。顧客を定着させたいと考えている、リピーターを増やしたいと考えている企業にとっても大きなメリットといえるでしょう。
リピーターを獲得できれば安定的な売上にも繋がっていきますし、新規顧客を増やしつつマーケティングの幅を広げることも可能です。リピーターを維持するのも、企業にとって重要なポイントになるため、興味を持ち続けてもらえるような戦略を考え続けていくようにしましょう。
3. ブランディング広告のデメリット
ブランディング広告は、メリットだけでなくデメリットもあります。

すぐに結果が出るとは限らない
ブランディング広告は、一般的に長期的取り組みが必要になります。そのため、場合によっては結果が出るまでに数年以上の期間がかかることもあります。広告を出稿したからといって、実際に成果があらわれるまでの時間が予測しづらいため、デメリットとして感じることも少なくありません。ブランディング広告を出稿する期間が長くなると、その分コストも高くなってしまいます。コスト的な負担も増えてしまうため、長期的に広告を出し続けられるのかも含め確認していかなくてはいけません。
4. ブランディング広告で認知度向上のための考え方
ブランディングを行い認知度向上を目指すために覚えておきたい、考え方の基本を解説します。認知拡大は、広告を出していれば成功するとは限らず、事前に戦略を考えるためのポイントを押さえなくてはいけません。ブランディング広告で認知向上のために覚えておきたい4つの考え方について説明していきたいと思います。

ブランドコンセプトを明確にして共有する
それぞれのブランドが持っているコンセプトは違います。企業にとってブランドのメッセージ(思い)を顧客に届けることで、イメージを一般的に浸透させることができます。どのような企業なのか知ってもらうのはもちろん、経営のスタンスについても伝えていかなくてはいけません。コンセプトは長くわかりにくいものではなく、リズミカルで誰もがすぐに覚えられるようなものを選ぶ必要があります。例えば、家具を販売しているニトリでは「お、ねだん以上。ニトリ」のフレーズがありますし、マクドナルドの「i’m lovin’ it(私のお気に入り)」も誰もが一度は耳にしたことがあると思います。
企業がイメージしているターゲットに最適なコンセプトを考え、認知させていくことが大切です。伝えたいことを明確にして共有するのは、ブランディングには欠かせません。
自社の商品やサービスの強みを理解する
ブランディングは、自社の商品やサービスの強みを十分に理解する必要があります。そのためにも、顧客の目線に立って客観的な視点で分析することが大切です。そもそもブランディングとは、自社の商品やサービスの価値を高めて差別化を図ることです。サービスの強みを理解していないと、企業としての認知度を高めることもできません。また顧客との信頼関係を築くためにも、必要な作業になります。自社の商品やサービスの強みについて十分に理解できるようにしていきましょう。
ターゲット層を明確にする
ブランディングを行ううえで、自社の商品やサービスがどのような顧客によって支えられているのかを把握することが重要です。プロモーション戦略を立てるためにも重要な部分になるからこそ、時間をかけて行うようにしてください。そもそも必ず購入してくれる、リピーターになってくれるかはわかりません。広告を見ても対して興味を持ってもらえないこともあるかもしれません。どのような人たちにニーズがあるのか、ターゲット層を明確にすることから始めてみることが大切です。継続的に売り上げを作るためにも、シェアをいかに拡大できるかどうかにかかっています。
市場調査に力を入れる
ブランディングを成功させるためには、肝となる市場調査を丁寧に行う必要があります。企業単位で行うことが多いブランディングですが、商品やサービスなど細かく分析が必要になることもあります。時代によって分析方法も変わってくるため、専門的な知識・技術が必要になることも考えられます。いかにビジネスの切り口を変えつつ、ターゲットに響くブランディングを行うかどうかです。
5. ブランディング広告にはオンライン・オフライン広告がある
ブランディング広告には、オンライン広告とオフライン広告があります。
ネット社会だからこそ、オンラインに注目が集まりがちですが、オフラインも目にする機会があるのではないでしょうか。
オンライン広告
・SNS広告
・ディスプレイ広告
・リスティング広告
・アフィリエイト広告 など
オフライン広告
・新聞
・雑誌
・テレビ
・看板 など
それぞれの特徴を理解したうえで、オンライン広告とオフライン広告を使い分ける必要があります。例えばオンライン広告は、予算に合わせて柔軟な対応ができますし、費用対効果も高く効果測定がしやすいメリットがあります。オフライン広告は、伝えられる情報量が多く、企業としてのイメージ向上につなげやすいといわれています。それぞれの特徴を踏まえたうえで、広告を出す方法を検討するようにしましょう。
6. 認知拡大に効果的なプロモーション戦略施策

認知拡大のために、効果的なプロモーション施策について説明します。
プレリリースを出す
プレスリリースを出すことで、認知拡大に向けた情報発信ができるようになります。世の中に出回っていない商品やサービスだと、メディアで取り上げてもらえる可能性があります。注目度が高くなれば、余計なコストをかけずに認知拡大を目指せるようになります。
ディスプレイ広告を出す
ディスプレイ広告を出稿するのも一つの方法です。主にアプリやWEBサイトなどに表示されている広告になり、サイトやアプリを閲覧するときに必然的に目に入るようになります。興味を持ってくれたユーザーに対して表示されるので、精度の高い方法といえます。
リスティング広告を出す
ユーザーの興味や関心に合わせて出稿できるのも、リスティング広告の良さです。インターネット検索でキーワードを入力したあとに、検索結果として表示されるもので興味や関心の精度に合わせて表示してくれるようになります。
オウンドメディアやSNSを活用
SNSやオウンドメディアを使ったマーケティングも注目度が高い方法です。不特定多数の声を耳にすることができ、情報発信も簡単にできます。コストを抑えつつ、リアルタイムで情報発信が出来るのも特徴です。ブランド認知度を確実に高められる方法です。
7. ブランディング広告で認知拡大に成功した事例を紹介
実際に、ブランディング広告で認知拡大に成功した事例を紹介します。
無印良品
引用元:無印良品 Instagram
日用品やスキンケアなど安価で品質の高い自然派のブランドとして知られています。ロゴがないのも特徴になり、ターゲット層を設定せず幅広い顧客に受け入れられるようにしています。幅広い年齢層から需要が高く、独自のポジションを確立しています。
無印良品のブランディングとして知られているのが「コンセプト創り」です。軸がぶれることのないようにコンセプトをしっかりと固めたうえで経営活動を行っています。3年もの長い月日をかけて「誰に」「どんな製品」を作るのかチームで議論しています。
また、無印良品は「自然と。無名で。シンプルに。地球大。」という企業理念を掲げエッジを立てることなくナチュラルでシンプルなモノづくりを徹底しています。シンプルだからこそ消費者が使い方を選択できますし、これでいいと思える消費者への考えにフィットしたブランディングと言えるでしょう。
バーミキュラブランド
引用元:VERMICULAR Official(バーミキュラ) Instagram
鍋を購入するユーザーニーズをとらえ「暮らしを支える」をコンセプトにしています。鍋の機能性を伝える方法ではなく、購入したあとの未来を見せるメディアの使い方をして成功した企業としても確かな知名度を確立しています。
確かな技術力を持ったブランドであることはもちろん、実際に取り入れた顧客の声を反映させたり、メリットを訴求することを大切にしています。
他にも、バーミキュラの看板商品といえば、無水調理のできる鋳物ホーロー鍋をイメージする人が多いのではないでしょうか。ただ、同じバーミキュラのフライパンは美味しく仕上がらないことから、無水料理に対応していません。
これはバーミキュラが大切にしている「世界一、素材本来の味を引き出す」ことに繋がり調理器具に合わせて最適な方法を選択しています。
また、ホーロー鍋を使った料理教室を開催したり、購入した顧客に対して調理法のサポートや鍋の修理サポートも行い、長期的なファンを獲得することにも成功しています。
8. まとめ
ブランディング広告はデジタル時代のマーケティングにこそ欠かせない方法です。ブランディングに成功すれば、商品やサービスの価値を高めることにもなりますしファンを獲得しリピーターや新規顧客を増やすことにも繋がります。ブランディング広告にもさまざまな種類があるからこそ、商品やサービスにあった出稿方法を探すようにしてみてください。また、実際にブランディング広告で成功している企業の事例も参考にしてみてください。