【マーケティング担当者必見】インフルエンサーキャンペーン成功のコツ
本記事では、自社で運用しているアカウントのフォロワーが伸びない…投稿へのエンゲージメントが少ない…などお悩みのSNS運用者の方や、インフルエンサーマーケティングに興味があるけれど、どうやってやればいいのかわからない…というSNSマーケティング担当者の方におすすめの情報をお届けいたします。
インフルエンサーとはフォロワー数が非常に多く、ソーシャルメディア(SNS)においてユーザーからの大きな影響力を持つ人物のことです。
最近ではインフルエンサーを活用したSNSマーケティングが主流になり、企業アカウントでもインフルエンサーを起用したキャンペーンやPR投稿、リポスト投稿などが行われています。
SNSマーケティングにおけるインフルエンサーの活用方法を知り、自社アカウントの成長に繋げていきましょう。
この記事でわかること
- インフルエンサーマーケティングの基礎
- SNSでインフルエンサーを起用する方法とメリット
- 編集部が分析した、インフルエンサーキャンペーンの事例
1. インフルエンサーマーケティングとは
インフルエンサーマーケティングとは、インフルエンサー(フォロワー数が非常に多く、SNSにおいてユーザーに大きな影響力を与える人物)の影響力を活用することで、自社サービスや商品を宣伝してもらう方法です。
キャンペーン投稿でも、企業側からの発信ではなくインフルエンサーの日頃の投稿と同様に発信されるため、自然とタイムラインに馴染みつつ商業感を抑えることができます。
このようにインフルエンサーを活用することで、企業の商品やサービスを自然な形でターゲットのユーザーに届けることができ、インフルエンサーの投稿で理解してもらうことができます。
2. インフルエンサーキャンペーンのポイント
インフルエンサーを活用したキャンペーンを行う上で一番大切にしたいことは、「キャンペーン内容の商品やサービスとインフルエンサーの親和性が高いか」ということです。
例えば、キャンペーンの目的が「美容グッズの宣伝・認知拡大」でターゲットが「30〜40代の女性」で設定しているのにもかかわらず、Z世代(10代)のインフルエンサーに美容グッズを紹介してもらったとしても、認知拡大は達成できたとして、目的のターゲットには届きづらいですよね。
このようなことが起こらないようにするためには、キャンペーンにおいて何を重要視するのか(商品・サービスの認知拡大、フォロワー獲得など)目的を明確にしたう上でインフルエンサーを選定し、インフルエンサーに対してもキャンペーンの目的など説明をしっかりと行い、理解を深めてもらうようにしましょう。
相互理解を深めることによって、インフルエンサーは企業の目的に沿った発信を行うことができるので、自社アカウントのフォロワー獲得や認知拡大に良い影響をもたらすことができると考えられます。
注意したい点は、投稿内容やハッシュタグ、クリエイティブのイメージなどを指示しすぎるとインフルエンサー本来の良さがなくなってしまい、投稿をみたフォロワーが違和感を抱いてエンゲージメントが下がったりする場合もあります。
そのため、インフルエンサーの特徴やフォロワーの傾向などを把握し、必ず訴求したいポイントは確認してもらった上で、インフルエンサーらしい投稿をおまかせすることも大切です。
3. インフルエンサーを選定するときのポイント
自社サービスや商品を投稿してもらうインフルエンサーを選定するときに押さえておくべき大切なポイントとして、以下の5つが挙げられます。
① フォロワー数/ホーム率
インフルエンサーとして一番の指標となるのは、やはりフォロワー数です。キャンペーン目的達成のためには、インフルエンサーのフォロワー数だけではなく、どのようなフォロワーが多いのか、インフルエンサーの投稿がフォロワーのホーム画面である「フィード」で閲覧されたのかを示す割合(ホーム率)を知っておくことが大切です。
ホーム率の計算方法
ホーム率=フィードで閲覧された回数÷フォロワー×100
② エンゲージメント
次に確認したいのは、インフルエンサーの投稿に対するエンゲージメント(いいね、コメント、シェアなど)です。
例えば同じ美容系のインフルエンサーでも、「ヘアケア系の投稿が伸びやすいインフルエンサー」「エステ系の投稿が伸びやすいインフルエンサー」など、フォロワーが興味を示す投稿が異なる場合があります。
そのため、選定したインフルエンサーのエンゲージメントが高い投稿の傾向を掴むことも大切です。
また、フォロワーを買っているインフルエンサーもいますがフォロワーを購入することは各SNSで禁止されている行為です。フォロワーを見るとほとんどが海外アカウントや、自撮りや露出の多いアカウントかつエンゲージメントも低いのですぐに分かると思いますが、気をつけるようにしましょう。
③ インフルエンサーの特徴を知る
最後はインフルエンサー本人の特徴を知ることです。
たとえばインフルエンサー自身の興味・関心、投稿はどのような内容が多いか、投稿内で頻繁に使用するハッシュタグ、プロフィール欄にはどのような内容が記載されているかを確認しましょう。
「②エンゲージメント」でもご説明した通り、同系統のインフルエンサーでも商品レビューやメイク方法を紹介するなど、投稿内容が異なる場合があります。
インフルエンサーの特徴を理解して、それぞれのインフルエンサーに合ったキャンペーン投稿の企画を提案することで、インフルエンサーは自分の得意分野を活かして取り組むことができます。
また、キャンペーン投稿の内容がフォロワー層とマッチすればインフルエンサーマーケティングによる効果がより期待できます。
④ ターゲット層≒フォロワー層
インフルエンサーマーケティングを行う上で、紹介したい自社サービスや商品のターゲット層と、インフルエンサーのフォロワー層が一致していることはとても大切です。
インフルエンサーのフォロワー層を調べるポイントとしては、男女比率や年齢構成比がポイントになります。
例えば、美容系の女性インフルエンサーのフォロワーに女性が多いとも限らないので、選定する際はインフルエンサーにフォロワーの男女比率や年齢構成比を確認するようにしましょう。
⑤キャンペーン投稿の経験があるか
キャンペーン投稿の事例があるインフルエンサーは、企業とのタイアップに慣れているため、仕事としての対応・進行がスムーズなことが多いです。
インフルエンサーを起用する場合は、キャンペーンの目的など説明をしっかりと行い自社サービスや商品への理解を深めてもらうようにしましょう。
また、契約内容や支払いの金額まで、お互いに相違がないようなコミュニケーションを心がけましょう。
商品・サービスによってキャンペーン投稿を断るインフルエンサーや、企業からのキャンペーン投稿を受け付けていないインフルエンサーもいるため、依頼の際に確認しておきましょう。
4. インフルエンサーキャンペーンの注意点
キャンペーンを実施する際に、一番気をつけなければいけない点が炎上リスクです。
SNSは多くのユーザーが利用しているため「拡散力が高いこと」がメリットの一つとしてあげられますが、もし不適切な内容を含む投稿をしてしまった場合、キャンペーンが炎上したり、企業や商品・サービスのイメージ低下に繋がる可能性があります。
事前にできる対策としては、各SNSの規約・ガイドラインを事前に確認しそれに則ってキャンペーンの投稿を作成・運用することが重要です。
※規約・ガイドラインに違反した場合には、アカウントの凍結や消去の可能性もあります。
5. インフルエンサーを起用するときの相場
インフルエンサーにキャンペーン投稿を依頼する金額の相場は、1回の投稿につきフォロワー数×2〜5円とされています。
例えばフォロワー数5万人のインフルエンサーに依頼する場合は、10万〜25万が相場です。これはフォロワーの数で、インフルエンサーの拡散力が大きくなるのに比例し、費用も大きくなるという費用算出方法です。(動画のほうが編集が大変なので、費用が高くなるという傾向もあります)
また、インフルエンサーキャンペーンで紹介したい商品やサービスの内容により、依頼料以外にも商品の配送代やイベント参加費(交通費・宿泊費)などかかる場合もあるので、事前に調べておくようにしましょう。
PROFITのインフルエンサーキャンペーン事例
弊社の事例「7.PROFITのインフルエンサーキャンペーン事例」では、以下のような費用感でご依頼していました。
フォロワーひとりあたりの単価は0.5〜1.5円ですが、ブランドの世界観や商品の魅力に共感いただき、無償でご協力いただいた方もいらっしゃいました。
6. インフルエンサーキャンペーンの効果測定
インフルエンサーキャンペーンの効果測定方法は、一般的にキャンペーン投稿のエンゲージメント率で判断します。
内容は各SNSによって異なる場合もありますが、インフルエンサー投稿のエンゲージメント(いいね、コメント、シェア数、リンククリック数など)、投稿へのリーチorインプレッションがどのくらい行われたかを指標とします。
エンゲージメント率の計算方法
エンゲージメント率=(エンゲージメント数÷リーチorインプレッション数)×100
※エンゲージメント数とは、投稿に対してユーザーが反応した数値(いいね、コメント、シェアなど)です
※リーチ数とは、投稿に訪れたユーザーの数(1人につき1回のみカウント)です
※インプレッション数とは、投稿に訪れたユーザーの数(1人につき何回でもカウント)です
基本的にインフルエンサーマーケティングの平均エンゲージメント率は5%前後とされていますが、SNSやジャンルによって数値は大きく変わるため、1〜3%とれていれば良い方だと言われています。
また、各SNSによるキャンペーンの主な指標は以下のように考えられています。キャンペーンの目的に合わせて、適切な指標を選ぶようにしましょう。
Instagram(インスタグラム)
- リーチ数
- ハッシュタグ投稿数の変化
- エンゲージメント数
- フォロワーの増加数など
X(旧Twitter)(エックス)(旧ツイッター)
- インプレッション数
- エンゲージメント数
- フォロワーの増加数など
TikTok(ティックトック)
- 動画再生回数
- エンゲージメント数
- フォロワーの増加数など
YouTube(ユーチューブ)
- インプレッション数
- 動画再生回数
- エンゲージメント数
- 高評価数
- チャンネル登録者の増加数など
7. インフルエンサーキャンペーン他社事例
GREEN SPOON I グリーンスプーン
栄養を閉じ込めて瞬間冷凍した120種類以上の素材を、自宅へ届けるサブスク「GREEN SPOON(グリーンスプーン)」を紹介しているInstagramの公式アカウントです。
商品を紹介しているインフルエンサーは、フリーランスPRの「上枝みどり」さん。(フォロワー数:約2.1万人)通常投稿では、ファッションや美容系の投稿をしています。
「GREEN SPOON(グリーンスプーン)」は新しいサービスで、公式ホームページからパッケージまでクリエイティブの質が高く、商品自体は時短レシピで栄養が取れる商品であることから、丁寧な暮らし系アカウントや20〜30代の仕事や家事で忙しく、ご飯を作るヒマがないユーザーをターゲットにしている商品だと推測できます。
また、複数のマイクロインフルエンサー(丁寧な暮らし系)にタイアップ投稿を依頼していることから、エンゲージメントの獲得よりもブランドの認知拡大を目的にしているようです。
文章の内容(商品の特徴:野菜がゴロゴロ入っていて、レンジで5分温めれば食べることができる)やハッシュタグ(#冷凍デリのグリーンスプーン #レンジ5分のできたてデリ #グリーンスプーン #greenspoonad)が似ていることから、キャプションは企業側から一部指定されていることが確認できますが、写真などのアレンジはインフルエンサーにおまかせしているようなので、各投稿インフルエンサーの特色が損なわれない内容になっています。
X(旧Twitter)
【公式】UCCドリップポッド
プロのハンドドリップの湯温・抽出速度・蒸らしを再現した、本格コーヒーを楽しめるマシン「UCCドリップポッド」を紹介しているX(旧Twitter)の公式アカウントです。
UCCドリップポットの公式Instagramでは、商品ではなくコーヒーに合うスイーツをメインに投稿しています。
このように企業商品をメインに発信するという手法ではなく、ユーザーの興味を引きやすい情報(今回の場合はスイーツ)を通して、企業感を出さずに自社製品を紹介するという方法を企業側が既に行っているため、Instagramの投稿に似た発信ができるインフルエンサー(食品系)にタイアップを依頼し、親和性の高い方法で企業商品を発信し、認知拡大・購買に繋げる目的であると推測できます。
商品を紹介しているインフルエンサーは、食品系の「つくりおき食堂まりえ」さん。(フォロワー数:約60万人)通常投稿では、家にある調味料だけでサッとつくれる、コスパとタイパの良い料理を紹介しています。
タイアップ投稿では通常投稿と同じく最初に簡単な卵蒸しパンの作り方を紹介し、そのあと「料理に合う」という形で「UCCドリップポッド」のコーヒーをPRしています。
アカウントの世界観を崩さない内容でユーザーに好感をもたせ、タイアップの商品を多くのユーザーに訴求できている、上手な事例ですね。
投稿のインプレッション数:約489.1万、エンゲージメント数:いいね数が約2.8万、RTが3,474、保存数が1.9万と、好調な数値が表れています。
TikTok
ロート製薬【公式】
ロート製薬の商品を紹介しているTikTokの公式アカウント
「ロート製薬【公式】」の製品はドラックストアで購入できることや、値段もプチプラで有名なことからTikTokのユーザー層である10〜20代のユーザーが購入しやすい商品です。 商品の効果などを宣伝すれば売上に繋がる可能性も高くなるため、美容系のインフルエンサーに度々商品のタイアップを依頼しています。
商品を紹介しているインフルエンサーは、商品紹介や日常系を面白く紹介している「古川 (こがわ) です」さん。(フォロワー数:約204.8万人)通常投稿では、主に面白系の動画投稿やスキンケアの商品紹介などトレンドに合わせた形で発信しています。
タイアップ商品の「メラノCC」はニキビ改善につながる商品であるということを訴求したいため、「古川 (こがわ) です」さんのように、実際に自分の肌荒れ改善をレビューしている(再生回数も高い、改善したというポジティブな方向性で動画を作成している)インフルエンサーに依頼したと推測します。
タイアップ投稿では、通常投稿と同じく面白系の短尺動画(淡々とした実母とのやり取りにクスッとなる)の中で、タイアップ商品(ロート製薬のメラノCC)を紹介しています。
再生回数:205.9万、エンゲージメント数:いいね数2.2万、コメント数:185、保存数:1,057と、再生回数が他の投稿よりも非常に高く、エンゲージメントも数値が獲得できていることから、TikTokで人気のインフルエンサーと相性の良い商品でタイアップできている投稿だと言えます。
YouTube
ヤーマン公式
ヤーマン製品の使いかたや説明などを紹介しているYoutubeの公式チャンネルです。
ヤーマン(公式)は、美のプロフェッショナルに選ばれ続けるテクノロジーで、理想とする美しさを追求するブランドとして有名な美容系のブランドです。
主に美顔器やスチーマーなどが有名なブランドですが、値段は数万〜とやや高額な商品が多いため、ターゲットは美容に強く興味がある・美容に気を使い始めた女性(20代後半以降)がターゲットだと推測できます。
ターゲット(美容に強く興味がある・美容に気を使い始めた年齢層の女性)と似たようなインフルエンサーにレビューしてもらうことで使用感・効果などを実際に知ることができ、商品の認知拡大や購買につなげることができます。
商品を紹介しているインフルエンサーは、日本のブランドプロデューサー、YouTuber、元女優で活躍中の「山賀琴子」さん。(チャンネル登録者数:約8.43万人) 通常投稿では、美容、メイク、ファッション、Vlog、料理などの日常系動画を投稿しています。
タイアップ投稿では「ナイトルーティン」という動画の中で、ヤーマンのタイアップ商品「エイジングケアスチーマー フォトシャイン」を紹介しています。
商品は動画内で紹介されているだけではなく、説明欄にも商品へのURLが掲載されています。(販売ページに遷移します)
ルーティン系動画はYouTube動画の中でも伸びやすい傾向があるため、カテゴリから上手に選んでいる投稿です。
他の動画と比べても、再生数が6.9万と非常に高い再生回数のため、インフルエンサーキャンペーンとして高い宣伝効果の事例だと言えます。
8. 弊社のインフルエンサーキャンペーン事例
洋菓子店(仮)のアカウントで、一定の期間インフルエンサーとのタイアップ投稿を実施したところ、洋菓子店(仮)アカウントでのオーガニック投稿と比較して、リーチ数は1,542〜20,833%、エンゲージメント数は350〜3,000%と向上しました。
【結果】
自社の顧客となりうるフォロワーへのリーチやエンゲージメント獲得をすることができ、店舗や商品の認知拡大や、好感度の醸成に寄与することができました。
また、数値が伸びた投稿は洋菓子店や話題の洋菓子を紹介しているインフルエンサーの投稿だったことから、インフルエンサーにタイアップ投稿を依頼する際はフォロワー数よりもお店(企業の商品)とアカウントの親和性(インフルエンサーが何を投稿しているのか)がより重要であるということが分かりました。
9. まとめ
インフルエンサーキャンペーン成功のコツについていかがでしたか?
自社アカウントで紹介したいサービスや商品を多くのユーザーに知ってもらう手法の一つとして、インフルエンサーマーケティングは重要な施策の一つです。
インフルエンサーキャンペーンを活用して、本来の目的を達成させるにはタイアップするインフルエンサーも「3.インフルエンサーを選定するときのポイント」で紹介したポイントを確認しながら選定することが大切です。
本記事でを参考にしつつ、ぜひ自社アカウントでインフルエンサーキャンペーンをお試しください。