【マーケティング担当者必見】SNSキャンペーン成功のコツ
SNS運用に慣れてきた頃、SNSキャンペーンをやってみたいけれど手順や注意点などがよくわからない…とお悩みの方はいらっしゃいませんか?
本記事では、SNSキャンペーンに関する基礎や手順、注意点や事例について必要な情報をご紹介しています。
この記事でわかること
- SNSキャンペーンの基礎と手順
- SNSキャンペーンのポイントとメリット
- 編集部が分析した、SNSキャンペーンの事例
1. SNSキャンペーンとは
SNSキャンペーンとは、Instagram(インスタグラム)、X(エックス)、TikTok(ティックトック)、Facebook(フェイスブック)のSNSのマーケティング施策です。
主には、企業がキャンペーンに対してユーザーが応募に至るまでのアクションを行い(フォローやいいね、RPなど)、自社ブランドの認知拡大やフォロワー獲得、自社製品の販売促進などが期待できます。
SNSキャンペーンには主に以下の種類があります。※一部事例
フォロー&リツイートorいいねキャンペーン
ユーザーからエンゲージメント&フォローを促すために実施するキャンペーンです。
参加するユーザーは指定の投稿をいいね・シェア(RP)し、対象のアカウントをフォローすることで参加できます。
期待できる効果
このキャンペーンでは投稿の拡散によって自社ブランドに興味をもつユーザーへの宣伝効果となり、新たなフォロワー獲得や自社ブランドの認知拡大に繋がります。
ハッシュタグ(#)or写真投稿キャンペーン
特定のハッシュタグ(例:#PROFITキャンペーン)をつけてSNSに投稿する、ユーザー参加型のキャンペーンです。
対象のアカウントをフォローし、指定のハッシュタグを自分の投稿につけることで参加できます。
期待できる効果
ユーザーは自分のSNSアカウントで投稿するため、ユーザーのフォロワーにキャンペーンを宣伝することができ、ユーザーの投稿が自社製品を認知拡大することにも繋がります。
インスタントウィンキャンペーン
応募後すぐに当選結果が分かるくじ引き型のSNSキャンペーンです。
個人情報を記入する必要がないためユーザーは気軽に参加することができます。
期待できる効果
ほとんどのインスタントウィンキャンペーンは、公式アカウントのフォローが参加条件(必須)となっているため、一度のキャンペーンで多くのフォロワーを獲得することができます。
また、SNSキャンペーンを実施する前に注意しなければいけない点については「3,SNSキャンペーンの注意点」でご紹介しておりますので、キャンペーンを実施する前にご確認ください。
2. SNSキャンペーンの手順
SNSキャンペーンの企画をする際は、主に以下の手順で考えられています。
この流れはPDCAサイクルと似ていて、計画→実行→評価→改善で効果測定しています。
また企画内容については、以下の手順で考えるとスムーズです。
- キャンペーンの目的・目標、ターゲットの設定
- キャンペーンの参加方法と実施期間
- 企画の内容と特典(賞品)
- 実施と効果検証
1.キャンペーンの目的、ターゲットの設定
SNSキャンペーンの目的
自社ブランドの認知拡大、自社製品の宣伝効果、顧客(フォロワー)のエンゲージメント強化、フォロワー数増加など
ターゲット
フォロワーを獲得するという数値だけを追ってしまうと、自社アカウントのターゲット層と全く異なるユーザーにリーチ(インプレッション)するキャンペーンになってしまう場合があります。
そのため、ターゲットについては現在のアカウントをフォローしている層を確認してからSNSキャンペーンで獲得したいorリーチしたい層を設定しましょう。
例)「美容系アカウントのフォロー&いいねキャンペーン」
キャンペーンの目的:ターゲット層(20代後半〜40代の女性)のフォロワーを獲得し、自社製品の認知拡大、販売促進に繋げる
賞品:美顔器
ターゲット:20代後半〜40代の女性
2.キャンペーンの参加方法と実施期間
参加方法
キャンペーンの目的とターゲットが決まったら、次はSNSキャンペーンに参加するための条件を決めましょう。
キャンペーンの種類によって参加方法は違うため「1,SNSキャンペーンとは」を参考にして、目的にあった方法を決めましょう。
実施期間
SNSキャンペーンの期間は基本的に1週間〜3週間ぐらいがベストです。
種類によって異なる場合もありますが、基本的にSNSキャンペーンは長く続けるよりも短期間のほうが効果が現れやすくなる傾向があります。
3.企画の内容と特典(賞品)
企画の内容
認知拡大やフォロワー獲得などの目的を達成するには、ユーザーが参加しやすい&魅力的なキャンペーン内容であることが必要です。
また、キャンペーンを通して自社ブランドの魅力を伝えることもできます。注目されるキャンペーンであれば多くのユーザーが参加するきっかけになります。
特典(賞品)
ユーザーに対して賞品や特典を用意することで、参加するユーザーが増加します。
また、賞品を決める際は自社ブランドの製品やターゲットから大きく逸れず、親和性のあることが大切です。
4.SNSキャンペーンのメリット
メリット
①高い拡散力でブランドやキャンペーンの認知拡大が期待できる
SNSには投稿を簡単にシェア(RP)できる機能があるため、ユーザーに投稿が拡散されやすいのが特徴です。
そのため、SNSキャンペーンではシェア(RP)やハッシュタグ投稿「シェア(RPしたら当選率UP!)」など拡散を促す文言で、ユーザーによる2次拡散を期待することができます。
SNSでキャンペーン投稿がユーザーのフォロワーに拡散されることで、より多くの人への認知獲得が期待できるでしょう。
②新規フォロワーを短期間で獲得できる
SNSキャンペーンは、短期間で自社アカウントの新たなフォロワーを獲得することができます。
SNSキャンペーンを実施する際に「フォロワー獲得」を目的にすることも多く、実際にフォロワー数を増やす施策として「自社アカウントをフォローしてくれたユーザーの中から抽選で〇〇(賞品or特典)をプレゼント」という投稿が多いです。
③フォロワーのエンゲージメントが高くなる
自社アカウントやブランド、商品に興味関心の高い状態のユーザーはSNSキャンペーンへの参加率が高く、シェアやハッシュタグを付けて投稿するなど、他のユーザーを巻き込む行動を起こしてくれる可能性が非常に高いです。
また、キャンペーン投稿でもユーザーに親しみをもたせることで、自社アカウントへの親近感が生まれやすくフォロワーの離脱も少なくなります。
この投稿をInstagramで見る
インテリアブランド「LOWYA」の新商品、便利商品のご紹介、お部屋作りのお悩み解決、最新のインテリアコーディネートについて投稿しているアカウントです。
キャンペーンの文章内ではフォロワーへのお礼だけではなく、中の人の感謝の気持ちがわかるような内容になっており、「ご当選されなかった方にも、お一人お一人に返答をさせていただきます。」とキャンペーン参加者に対して丁寧な対応を行っています。
また、参加方法にDMを使用することで個人間の関係性やコンテンツの共有度を示し、Instagramのシグナルを貯めることができます。
3. SNSキャンペーンの注意点
SNSキャンペーンを実施するときは、主に「各SNSのキャンペーンに関するガイドラインにキャンペーンの内容が反していないか」が重要です。
各SNSキャンペーンガイドラインについては以下のリンクからご確認いただけます。
景品表示法
景品表示法とは、「不当景品類及び不当表示防止法」として、商品やサービスについて不当な表示や過大な景品による顧客の誘引を防止して、消費者の利益を保護するための法律です。
SNSキャンペーンで賞品を提供する場合は、消費者庁が作成している「事例でわかる景品表示法」などを事前に確認しておきましょう。
炎上リスク
キャンペーンを実施する際に、一番気をつけなければいけない点が炎上リスクです。
SNSは多くのユーザーが利用しているため「拡散力が高いこと」がメリットの一つとしてあげられますが、もし不適切な内容を含む投稿をしてしまった場合、キャンペーンが炎上したり、企業や商品・サービスのイメージ低下に繋がる可能性があります。
事前にできる対策としては、各SNSの規約・ガイドラインを事前に確認しそれに則ってキャンペーンの投稿を作成・運用することが重要です。
※規約・ガイドラインに違反した場合には、アカウントの凍結や消去の可能性もあります。
4. なりすましアカウントについて
キャンペーンを実施中、「なりすましアカウント」による詐欺行為が発生する場合もあります。
キャンペーンに参加したユーザーに、自社アカウントを真似した偽アカウントからキャンペーン当選の案内が届き、 偽の応募サイトのURLをクリックさせクレジットカードの番号を要求してくるという手口です。
事前にキャンペーン投稿と同じタイミングで、投稿や自社サイトでの注意喚起を作成しておくことを、おすすめします。
例)なりすましアカウントに対する注意喚起の投稿
例)なりすましアカウントに対する注意喚起の掲載
また、キャンペーン時は以下のような懸賞アカウントが増えるため、「2,SNSキャンペーンの手順」で決めた「SNSキャンペーンの目的」や「ターゲット層にユーザーが合っているか」を確認しながら当選者を選定するようにしましょう。
5. SNSキャンペーンの相場
SNSキャンペーン投稿の相場は、キャンペーンの規模や開催期間などに応じて大幅に変わりますが、だいたい数万円〜数十万円が基本です。
さらに、キャンペーンサイト制作や、PR・広告費、景品準備・配送費が追加されると金額が追加されます。
「8.PROFITのキャンペーン事例」に、弊社の事例をご紹介しています。
6. SNSキャンペーンの効果測定
キャンペーン終了後、アカウント全体のフォロワー数、インプレッション、エンゲージメント数を把握し、キャンペーン投稿や他の投稿に影響があったのか分析してみましょう。
アカウント全体→投稿の順番で分析することにより、アカウント全体の数値に対してキャンペーン投稿がどう影響を与えたのかを知ることができます。
また、SNSキャンペーンの目的に「フォロワーの増加」を設定する場合もありますが、実際にはキャンペーンで増えたフォロワー数よりも、キャンペーン投稿のリーチorインプレッション数や、エンゲージメント数を重視しています。
フォロワーが増加したとしても懸賞アカウントやキャンペーンのためだけに作ったアカウントの場合、「いいね!」「コメント」「シェア」などのエンゲージメントを行うアカウントは少ないため、全体の数値を把握して、キャンペーン投稿自体のエンゲージメント数や他のコンテンツの数値に影響が出ているかなど、分析するようにしましょう。
SNSではコンテンツへのリアクションが多いアカウントが優遇されるため、ユーザーからのアクションを分析することは自社アカウントを成長させるために大切なことです。
最後に、キャンペーンを行う前の月やこれまでの平均値と比べて数値が上がったのか下がったのか、数値の変化がアカウント全体で起きているのか、キャンペーン投稿だけなのかをインサイトなどで確認しましょう。
全体的に結果が変わっている場合は、自社アカウントだけではなく競合アカウントの動きを確認し、様々な観点から仮説を立ててみましょう。(アルゴリズムが変わった、自社アカウントのカテゴリーが何かしらの影響で注目されたなど)
キャンペーン投稿含めてコンテンツに良い影響が出ている場合は、今回のキャンペーンについての良かった点を考えてみましょう。
効果測定の結果で次回キャンペーンの課題点を改善し、より目的を達成できるSNSキャンペーンを実施していきましょう。
エンゲージメント率の計算方法
エンゲージメント率=(エンゲージメント数÷リーチorインプレッション数)×100
※エンゲージメント数とは、投稿に対してユーザーが反応した数値(いいね、コメント、シェア、保存など)です
※リーチ数とは、投稿に訪れたユーザーの数(1人につき1回のみカウント)です
※インプレッション数とは、投稿に訪れたユーザーの数(1人につき何回でもカウント)です
また、各SNSによるキャンペーンの主な指標は以下のように考えられています。キャンペーンの目的に合わせて、適切な指標を選ぶようにしましょう。
- リーチ数
- ハッシュタグ投稿数の変化
- エンゲージメント数
- フォロワーの増加数
- UGCなど
X(旧Twitter)
- インプレッション数
- エンゲージメント数
- フォロワーの増加数
- UGCなど
TikTok
- 動画再生回数
- エンゲージメント数
- フォロワーの増加数
- UGCなど
YouTube
- インプレッション数
- 動画再生回数
- 高評価数
- チャンネル登録者の増加数
- UGCなど
7. SNSキャンペーンの他社事例
PILOT(パイロットコーポレーション)
総合筆記具メーカー株式会社パイロットコーポレーションの4周年記念プレゼントキャンペーンです。
キャンペーンの参加方法:フォロー&対象の投稿にコメント(スタンプ)
クリエイティブはフィードのトンマナにあった、やわらかいテイスト・カラーで作成し、表紙はキャンペーンの題名、キャンペーン期間、当選者の数とメインの情報を入れています。
また、1ページ目以降は応募方法や賞品などを写真付きで紹介し、ユーザーにわかりやすく訴求できています。
投稿文章ではスタンプ施策を行うことにより、キャンペーンのエンゲージメント数が増加しやすい工夫がされているため、他の投稿に比べてコメント数が5,783件と非常に多くなっています。(平均:2〜20件)
X(旧Twitter)
kirei not(キレイノート)
旅×キレイ がテーマのWEBマガジン(キレイノート)のフォロー&リポストキャンペーンです。 キャンペーンの参加方法:フォロー&投稿をRP(リポスト)
クリエイティブは賞品の画像を使用し、ユーザー視点からわかりやすい内容で作成しています。
投稿文章内ではメインの項目(キャンペーン名、応募方法、期間)を区切ってユーザーが見やすいように工夫しています。
リポストに加え、キャンペーン関連のハッシュタグをつけることで、キャンペーン投稿を多くのユーザーにリーチさせることができるため、他の投稿に比べてエンゲージメント数や表示数(インプレッション)を非常に多く獲得できています。
TikTok
モスバーガ【公式】
モスバーガー公式のデジタルギフトが当たる夏のプレゼントキャンペーンです。
キャンペーンの参加方法:フォロー&投稿にコメント
クリエイティブはナレーション付きでキャンペーンの賞品や応募方法について、ユーザー視点からわかりやすい内容で説明しています。
再生数、エンゲージメント数(とくにコメント数)は他の投稿に比べ非常に高い数値を集めています。
投稿文章内では賞品、応募方法、期間について記載していますが、その他に文章の前段に偽アカウントの注意喚起や、当選する確率がUPする方法を記載しています。
このようにコメントの内容を深めることでフォロワーの離脱防止(ファン化)や、参加率のUPを狙っていると推測できます。
8. PROFITのキャンペーン事例
雑貨ブランド(仮)のアカウントで、プレゼントキャンペーンを実施しました。
参加方法
フォロー&対象の投稿にいいね
目的
ブランドの認知拡大
KPI
リーチ数、フォロワー獲得数
ターゲット
20〜30代後半の女性
興味・関心:雑貨、インテリア、北欧、丁寧な暮らし
キャンペーン費用
数万〜数十万+賞品代、発送料広告費※広告運用は7月、8月のみ
7月:¥40,672(7日間)
8月:¥14,981(4日間)
プレゼントキャンペーン後の結果
プレキャン#プレゼントキャンペーン実施中など、ハッシュタグをを利用したため、懸賞アカウントの流入が多くみられました。
懸賞アカウントはプレキャン投稿以外にも積極的にエンゲージメントを行っていることから定期的にキャンペーンを続ければ、高いエンゲージメント率を保持しながら、アカウントの認知拡大をさらに広げることができるのではないかと思いました。
しかし、懸賞アカウントがフォロワーの大半を占めると本来ターゲットとなる層におすすめ表示されなくなってしまうため、自社アカウントのターゲットと親和性の高いユーザーへの拡散が見込めなくなる可能性もある、ということがわかりました。
キャンペーンだけに頼らず、オーガニック投稿でターゲットへのリーチやエンゲージメントを獲得することを前提にしながら、キャンペーンの効果をうまく活用していくことが大切です。
また、7〜8月は広告運用により多くのフォロワー数とリーチ数を獲得できたため、本キャンペーンの目的であるブランドの認知拡大を達成できたと言えます。
また、クリエイティブに応じて数値の変化もみられたため、キャンペーンの際は画像にいれる情報などもしっかりと選定・検証することをおすすめします。
※数値はすべて参考値です。
9. まとめ
自社アカウントのフォロワーを増やしたい、ブランドを認知拡大させたいという成長につなげる目的を達成させるには、アカウント本来の運用目的を元にSNSキャンペーンの内容やターゲットを設定し、SNSユーザーにとってニーズの高いキャンペーンを行うことが大切です。(注意点についてもしっかりと確認するようにしましょう)
また、キャンペーン終了後も効果測定を行い、改善点を次のキャンペーンやアカウントのコンテンツ施策に反映しましょう。
本記事でを参考にしつつ、ぜひ自社アカウントでSNSキャンペーンをお試しください。