ファンマーケティングとは:ファンを増やし、維持するためのマーケティング戦略

安定した売り上げや集客に繋げるために、ファンマーケティングを取り入れたいと考えている人もいるのではないでしょうか。ファンとの交流の機会を増やすことで、新しいアイディアを取り入れることにも繋がり、企業としての成長も期待できます。実際に多くの業界でも、ファン上位20%が売上の80%を支えていることもわかっています。

そもそも、ファンマーケティングとはなにか、手法やメリット、注意点についても詳しく解説します。ファンマーケティングに成功した事例も紹介していきますので、参考にしてみてください。

この記事でわかること

  • ファンマーケティングとは何か、その手法とは
  • ファンマーケティングのメリットと注意点
  • ファンマーケティングを成功させるコツと成功事例

1. ファンマーケティングとは

ファンマーケティングとは、企業が提供している商品やサービスに対してファンを増やすための取り組みのことをいいます。愛着を持ってもらうことで、中長期的に売り上げを拡大することにも繋がります。一度ファンになると、継続的に商品を購入しブランドを支え続けてくれるようになります。一度消費が落ち込んだとしても離れていくことはないからこそ、ファンマーケティングに注目する企業が増えているのです。


2. ファンマーケティングが注目されている背景

ファンマーケティングは、以前よりも取り組む企業の割合が増えています。
注目されるようになった背景を辿っていくと主に3つの理由が考えられます。

・人口が減少し、高齢化社会によるマーケットの縮小
・若い世代の物欲減少が進み、新規需要の低下
・情報過多社会により広告の効果が出にくくなった

若年層の顧客を獲得することが難しくなっている点が関係してきます。

現代は消費に積極的な若年層の顧客を獲得しにくくなっています。
情報源として最も信頼できるのが、家族や友人という調査結果もあり口コミの需要も高まっています。企業や商品・サービスのファンが友人に紹介することでより高い信頼を得られるようになり、ファンを獲得しやすくなります。
いかにファンを育成できるかどうかが、マーケティングを成功させる鍵となっているのです。


3. ファンマーケティングの手法

ファンマーケティングは、ファンを増やすために行う手法ではありますがさまざまな方法があります。
ファンをいかに集客(集める)+交流をとる+広げることが重要になってきます。業界によっても、どのような商品やブランドを展開しているのか変わってきます。

企業にとっての課題を解決するために、どのようなマーケティングが必要になるのかを考える必要があります。

ファンマーケティングの手法には以下のようなものがあります。

ファンミーティング:ファン同士の交流を増やすイベントを開催する
ファンコミュニティ:ファンや企業がオンラインで交流する場所
商品のデモンストレーション:ライブ配信で商品のプロモーションを行う
メルマガを配信:企業からファンに向けDMを配信する

などの手法があり、目的に合わせて選択する必要があります。

そのためにも、まずは自社のファンについて深く知り理解したうえで、なぜ支持されているのかという “商品・サービスの価値”を知ることが重要です。熱量の高いファンに耳を傾けて、特徴を明確にしつつ分析しています。そのうえで、ファンミーティングやファンコミュニティ、商品のデモンストレーションなど、コミュニティの場を作っていきます。


4. ファンマーケティングのメリット

ファンマーケティングにはたくさんのメリットが期待できます。

  • 口コミをきっかけにファンの増加に繋がる
  • 新規顧客を獲得しやすくなる
  • 売上の向上が期待できる
  • ニーズを満たす商品開発に繋がる

それぞれ詳しく見ていきましょう。

・口コミをきっかけにファンの増加に繋がる

企業にとってファンとは、商品やサービスの魅力を第三者に伝えてくれる存在でもあります。SNSが普及したことで、ファンの声がより多くの人に拡散されやすくなり多くの人に届きやすくなりました。実際に新規で商品やサービスを利用するときに、SNSやインターネットで口コミを確認することが主流になっています。

ファンの口コミをきっかけにして、自然とファンの増加に繋がる、効果的なプロモーションが期待できるようになります。同じ消費者同士の目線だからこそ、よりリアルな広告としての役割も持っています。

・新規顧客を獲得しやすくなる

新規顧客を獲得したいときにも、ファンマーケティングが効果的です。既存客のなかに、熱量の高いファンがいるときは、商品やサービスの魅力を積極的にアピールしてもらえる可能性があります。広告としての信頼性も高く、潜在顧客を引き出すことにも繋がります。
SNSでフォロワーが多いファンが商品やサービスについて発信してくれた場合、より多くの人に情報を届けることにも繋がります。新規顧客を獲得できる機会と言えるでしょう。

・売上の向上が期待できる

企業にとってファンとは、商品やサービスを熱烈に愛用してくれる存在です。ファンを重宝することで売り上げを安定させて、ニーズにあった商品を販売することにもなります。冒頭でもお話したように、売り上げの80%は、20%の優良顧客が作り出しているといわれています。業界やブランドによってもファンの度合いに違いがあり、いかに熱量の多いファン(優良顧客)を増やせるかどうかです。熱量の高いファンが売上の30%前後を占めていることもわかっています。

・ニーズを満たす商品開発に繋がる

ファンは、企業が思いつかない想像や発想を持っている可能性も考えられます。定期的にユーザーの声を獲得する機会を作ることで、商品やサービスの改良ポイントが明確になります。実際に使っているファンの声でもあるからこそ、開発に取り入れることで良い商品開発にも繋がります。そのためにも、定期的なファンミーティングを行うなど、気軽に声を発信できるような環境を作ることが大切です。


5. ファンマーケティングの注意点

ファンマーケティングにはたくさんのメリットがありますが、注意点にも目を向ける必要があります。具体的には、以下のような注意点があるといわれています。

  • ファンにも種類がある
  • ファン育成に時間がかかる
  • 企業としての成長意欲を持ち続けること
  • 炎上のリスクも考えられる

それぞれ詳しく見ていきましょう。

・ファンにも種類がある

一口にファンといっても、興味を持ってくれている程度の人もいれば一目ぼれのように熱狂的なファンになってくれるような人もいます。売り上げに繋げていくためには、熱狂的なファンを育てていけるかどうかです。

商品やサービスの魅力を伝えることはもちろん、ブランドコンセプトも含めて情報発信をしていかなくてはいけません。ファンを獲得できればいいわけではないため、育て方も重要になってきます。

・ファン育成に時間がかかる

ファンを育成することは時間がかかることであると、認識しておきましょう。

ファンに対応するときは「共感」「愛着」「信頼」が目的となり、交流の機会を増やしていくことが大切です。

そのためにも、商品やサービスの品質を向上させる必要がありますし、コミュニケーションの機会も継続的に行うような工夫が欠かせません。ファン化を目指すためにも、長期的な視点で伝えていけるかどうか、そのための方法を打ち出しましょう。

・企業としての成長意欲を持ち続けること

ファンマーケティングを導入するのであれば、成長意欲を高く持ち続けることも大切です。熱狂的なファンを獲得できれば、売り上げは安定していきます。どのようにしたら、ファンの心をつなぎとめられるかどうかに視点が行ってしまいがちです。

既存のファンはもちろんですが、新規顧客の獲得も同時に進めていかなくてはいけません。企業としての評価を下げることなく、新規と既存の顧客の心をつかめるかどうかを考え、対策を行う必要があります。

・炎上のリスクも考えられる

ファンマーケティングには、ファンと企業の関係性が重要です。企業としての信頼性はもちろんのこと、日々の発言や行動でファン離れの原因とならないように、真摯に向き合っていくことも必要になります。ファンの期待を裏切れば、炎上のリスクを引き起こしてしまう可能性も出てきてしまうため注意が必要です。

なかでもSNSを通した発言は、瞬時に拡散され大きな問題となることも少なくありません。いかにリスク管理を徹底するかを考え、炎上してしまった場合の対処法も含め練るようにしておきましょう。


6. ファンマーケティングを成功させるコツ

ファンマーケティングを成功させるためのコツは3つあります。

  • 企業×ファンとのコミュニケーションの機会を増やす
  • 他の企業の成功事例を参考にする
  • ファン同士のコミュニケーションの機会を増やす

それぞれ詳しく説明していきたいと思います。

・企業×ファンとのコミュニケーションの機会を増やす

ファンとの関係を良好に維持するためには、誠実であり透明性の高い状態を維持できるかどうかです。ファンの声を積極的に拾い上げ、真摯に耳を傾けられるかどうかです。ファンに誠実に向き合えていれば、顧客ロイヤリティを高めることにも繋がります。こまめに顧客満足度調査を行うようにして、商品やサービスの改善に取り組めるようにしていきましょう。

・他の企業の成功事例を参考にする

ファンマーケティングに取り組むのであれば、他の企業の成功事例を参考に自社に適した施策を考えていく必要があります。自社の商品やサービスにはどんなファンがいるのか、広告費をかけずにブランドとしての認知度を高め、新規顧客を獲得するにはどうしたらいいのかを考えるようにしていきます。

また、ファンマーケティングは、商品やサービスに対してのフィードバックを直接聞きだすこともでき、改善に取り組むことも可能です。他の企業の成功事例にはたくさんのヒントがあると覚えておきましょう。

・ファン同士のコミュニケーションの機会を増やす

企業側が、ファン同士のコミュニケーションの機会を増やす方法もおすすめです。ファン同士で好きな商品やサービスを語り合うことで、一体感を生みだし特別な体験を生みだすことにも繋がります。

顧客満足度を高めることにも繋がりますし、売り上げや利益にもたくさんの影響を与えられます。ファンコミュニティサイトを立ち上げる方法や、外部のコミュニティサービスを活用する方法もあります。自社にあった方法でファン同士のコミュニケーションの機会を増やしていけるようにしましょう。


7. ファンマーケティングの成功事例

ファンマーケティングを取り入れた他社の成功事例を紹介します。

ピエトロ

福岡に本社を置いているピエトロは、もともとレストランが発祥となっています。現在は、レストラン事業と食品事業の2つの軸で展開しています。実際に、レストランで使われ評判になったドレッシングを、商品化したことでも有名になりました。ピエトロは創業時から変わらぬ「お客様に喜んでもらいたい」という想いを大切にしています。

ファンの声をもとに会社の売り上げや価値を伸ばしていく「ファンベース」を通し、ファンの声に耳を傾けています。

ファンコミュニティ「ピエトロホームタウン」やファンミーティング、ファンイベントを積極的に行い、ファンの声からの気づき=ピエトロの価値としています。

また、ファンと一緒に作り上げる「おうち菜園部」で、一緒に野菜を育て、食の楽しさを共有できるようにしています。

スターバックス

スターバックスといえば、おしゃれでおいしいコーヒーを提供しているお店です。アイデアを気軽に投稿できる「My Starbucks Idea」というウェブサイトを立ち上げ、ファンの声に耳を傾けるようにしています。

公開当初よりたくさんのアイデアが届き、スターバックスならではの問題点についても真摯に対応し、改善へと繋げています。その結果、スターバックスの業績不振から抜け出したという過去もあります。お客様とのコミュニケーションの機会を大切にしてきたからこそ、今のスターバックスがあると言えるでしょう。

チロルチョコ株式会社

チロルチョコのロングセラーでも知られている会社になり、50年以上のロングセラー商品として、長年のファンが多いのも特徴です。独自のマーケティング手法を取り入れており、4つのSNSを積極的に利用しています。

チロルチョコ株式会社では社長の松尾が「従来のホームページのような一方通行のコミュニケーションだけでなく、お客様と双方向のコミュニケーションが取れるツール」としてSNSの運用を始めました。

・Twitterではお客様との親しみやすさやライトな関係を意識
・Instagramはユーザーの目に止まりやすく、共感を得やすい画像制作に力をいれた投稿
・Facebookはコミュニケーションが取りやすくファン化や、エンゲージメント獲得をする投稿
・TikTokではユーモアあふれる動画を通して身近に感じられる投稿

Zoomを使ったオンラインミーティングも行っており、参加者からも多くの声が寄せられています。他にもオフラインイベントを行っていることや、オリジナルグッズの販売も行っています。

株式会社スープストックトーキョー

食べるスープの専門店として人気のお店です。オンラインコミュニティの「Smash」を運営しており、日めくりカレンダーとして店舗スタッフの紹介を毎日行っています。

他にも、バーチャル社員として、現役のスタッフと同じ社員割引や商品開発など試食会に参加することも可能です。企業×ファンとのコミュニケーションの機会を増やしていくのも特徴です。


8. まとめ

ファンマーケティングは、企業としての収益の安定化に繋がり、既存だけでなく新規顧客の獲得も期待できます。リアルなお客様の声を集めやすいこともあり、ファンとのコミュニケーションの機会を増やしたい企業にも向いています。

ファンマーケティングの成功事例を参考にしつつ、自社のブランドイメージにあったファンマーケティングの取り組みができるようにしていきましょう。