ブランディングデザインとは何か?成功事例と意識するポイントを紹介

「ブランディングデザインって何?」

この記事では、「ブランディングデザインとは何か」について、その目的や構成要素などを徹底解説します。

また、ブランディングデザインを構築する手順や、実際に成功している事例を紹介しながら、理解を深めていただくことができますので、ぜひ最後までご覧ください。

この記事でわかること

  • ブランディングデザインの基礎知識
  • ブランディングデザインの構築手順
  • ブランディングデザインの成功事例

1.ブランディングデザインとは

まず、ブランディングとはなにか。

『ブランディング』とは、商品そのものの魅力に「付加価値」をつけてユーザーに選ばれやすい状態を生み出すこと。

例えば、『貢茶(ゴンチャ)』だと一見タピオカが有名に感じる方も多いかと思います。しかし、『貢茶(ゴンチャ)』というブランドでは台湾茶の茶葉にこだわりを持っていることから、当初は「タピオカを求めているユーザー」から人気を得るようになった一方で、台湾茶を味わいたいユーザーからも広く知られるようになりました。

こういった「付加価値」を込めたメッセージを、日常のあらゆる接点でユーザーが受け取ることで、「記憶に残りやすくなる」「商品への信頼が高まる」といった効果が期待できます。そしてさらには、長期的にみて広告・宣伝費の大幅削減につながるのです。

ブランディングデザインとは、ブランディング活動において、ビジュアル的な要素を戦略的に活用し、ブランドの独自性や個性を視覚化する行為のことを指します。

その上で、ブランディングデザインとはなにか。

企業や製品・サービスのブランドイメージを明確に打ち出し、ユーザーの心に強く印象付けるためには、デザインが重要な役割を果たします。ロゴ、カラー、タイポグラフィ、パッケージデザインなどの視覚的な要素を、統一されたコンセプトに基づいて一貫性を持たせることで、ブランドの世界観を構築することができます。

単に目を引くデザインというだけでなく、ブランドの核となる価値観や理念、ストーリーなどを明確に表現し、訴求力の高いブランディングデザインを実現することが重要です。

このように、ブランディングデザインは、企業のアイデンティティーとブランドメッセージを視覚化する重要な役割を担っています。印象に残るブランドを創出するためには、デザインを戦略的に活用することが必要不可欠となります

そもそもデザインとは何か。

デザインとは、ものごとの”姿”を創り出す行為のことを指します。製品やサービス、環境などを視覚的に表現し、機能性や美しさ、使いやすさなどを追求することが目的です。

デザインには大きく分けて4つの役割があります。

  1. 機能性の追求
    製品やサービスが本来の目的を果たせるよう、合理性や効率性を高めること。
    使い勝手の良さや利便性の向上を図ります。
  2. 美的価値の追求
    ユーザーに喜びや感動を与えられるよう、外観のデザインに美しさや心地よさを追求すること。
    製品やサービスに対する魅力を高めます。
  3. 情報の伝達
    デザインを通じて製品やサービスの特徴、使い方、メッセージなどを分かりやすく伝えること。
    視覚的な要素を利用して、的確にコミュニケーションを行います。
  4. 本質の提供
    デザインの役割として、ブランドの本質を届けるコミュニケーション手段であり、
    ブランド価値が伝わる最適な表現をデザインに落とし込む必要があります。

これら4つの役割を上手く両立させた優れたデザインは、ユーザーの満足度やブランド価値を最大化します。

そもそもブランディングとは?

ブランディングとは、企業や製品・サービスの”ブランド”を確立し、市場に浸透させていく活動のことを指します。単に製品やサービスを販売するだけでなく、商品そのものの魅力に「付加価値」をつけてユーザーに選ばれやすい状態を生み出すこと。

「付加価値」を込めたメッセージを、日常のあらゆる接点でユーザーが受け取ることで、「記憶に残りやすくなる」「商品への信頼が高まる」といった効果が期待できます。そしてさらには、長期的にみて広告・宣伝費の大幅削減につながるのです。

ブランディングには主に3つの目的があります。

  1. ブランドの構築
    製品やサービス、企業に対して愛着や好感といった良いイメージを持ってもらうこと。
    親しみやすさ、高品質、革新性などの付加価値を演出する。
  2. ブランドの認知向上
    製品やサービス、企業自体の存在を広く知ってもらうこと。
    視覚的な要素を用いてブランドの特徴を分かりやすく伝える。
  3. ブランドの差別化
    他社や競合製品との違いを明確にし、ユーザーに選ばれる理由を提示すること。
    独自性や個性を前面に打ち出す。

ブランディングは、製品やサービス、企業自体のアイデンティティーを確立し、市場での存在感や競争力を高める重要な活動です。

ブランドに対する印象や価値観を戦略的にユーザーの心に訴求することで、ブランド価値を高め、長く愛されるブランドに成長させることができます。

また、強固なブランドを築くことで、広告費の圧縮も可能となります。これは、ブランドが消費者に認知され、信頼されることで、広告に依存しなくても自然と支持されるようになるためです。

ブランドに対する印象や価値観を、戦略的にユーザーの心に訴求していきます。

2.ブランディングデザインの目的とは

ブランディングデザインの目的は、大きく3種類に分かれます。

  1. ブランドコンセプトの統一化
  2. ブランドの認知拡大
  3. ブランドの差別化

1つずつ解説していきます。

ブランドコンセプトの統一化

ブランディングデザインの大きな目的の一つ目が、ブランドのコンセプトを統一化することにあります。

ブランディングデザインを通して、立体的なブランドの世界観を創り上げる上で重要な部分です。

様々な視覚的要素を効果的に組み合わせ、一貫したブランドイメージを確立し、浸透させていくことが重要です。

具体的には、ロゴ、カラー、タイポグラフィ、パッケージデザイン、店舗デザイン、ウェブサイト、SNSなどの要素を、ブランドの核となる理念やコンセプトに基づいて構築します。そうすることで、ユーザーが接する様々なタッチポイントにおいて、同じブランドイメージが一貫して表現されるようになります。

このようなイメージの統一化によって、製品やサービス、広告など様々な場面でブランドを視覚的に再現できます。結果としてブランドの認知が高まり、ユーザーの心に強い印象を残すことができます。

また、ブランドに対するあらゆる接点を一気通貫したコンセプトで創り上げることによって、どこをとってもそのブランドらしさを伝えることができ、一貫したブランドイメージを定着させて、ブランドへの支持を獲得し、ファンの醸成を促すこともできます。

ブランドの認知拡大

ブランディングデザインは、ブランドの認知を大きく広げることを目的の一つとしています。

例えば、魅力的なロゴデザインや配色を活用することで、ブランドの印象が強く意識に残ります。点ではなく面でブランディングデザインを展開することで、ブランドの世界観を印象づけられます。パッケージやWebサイトなどにおいても、視覚的に魅力的で使いやすいデザインを展開することで、多くのユーザーにアピールできます。

さらに、デジタル広告やSNSなどのプロモーション施策と連動させれば、デザインの効果を最大限に発揮できます。端的でブランドらしい印象的なデザインは、クリック率やエンゲージメント率を向上させるなど、認知の拡大に寄与するでしょう。

ブランドの差別化

ブランディングデザインが目指すもう一つの大きな目的が、他ブランドとの差別化です。

同業他社や競合製品と一線を画すため、デザインによってブランドの個性や独自性を前面に打ち出すことが重要になります。

デザインには強いメッセージ性があり、ブランドの核となるコンセプトやストーリー性を視覚的に表現できます。ロゴやカラーパターン、フォントデザインなどの要素を自社らしく独自の視点で構築することにより、他にはない個性を放つブランドを作り出すことができます。

優れたブランディングデザインほど、一目でそのブランドのアイデンティティーが伝わってきます。他社を圧倒する高い印象度とインパクトで、ユーザーの心に強く焼き付けられれば、確実な差別化が図れるはずです。


2.ブランディングデザインを構成する3つの要素

今回はブランディングデザインを構成する要素として3つご紹介させていただきます。

  1. ロゴ
  2. カラーパレット
  3. デジタルデザイン

ロゴ

ロゴは、ブランディングデザインの中核を成す重要な要素です。企業や製品・サービスの名前や頭文字をモチーフにしたマークは、そのブランドのシンボルとしての役割を担います。

優れたロゴデザインは、一目でそのブランドを連想させる印象的なものです。デザインの中に企業の理念や個性が反映されていれば、より高い訴求力とインパクトを持つことができます。シンプルで分かりやすく、かつ独自性のあるロゴは、ブランドの認知向上と差別化に大きく貢献します。

ロゴは製品パッケージや広告、サイトなど様々な場面で活用されます。どの場面でも一貫したデザインのロゴが使用されることで、ブランドイメージの統一性が保たれます。つまり、ロゴの存在感は、ブランディングにおける核となる要素なのです。

カラーパレット

さまざまな色の組み合わせから生まれるカラーパレットは、ブランディングデザインにおいて重要な役割を果たします。ブランドの個性やイメージ、理念といった抽象的な概念を、色を通じて具現化できるのです。

ブランドごとに異なるカラーパレットを設定することで、色そのものにブランドの象徴性や印象が付与されます。例えば、赤を基調とすれば力強さやエネルギッシュな印象が、緑を基調にすれば自然への親和性やフレッシュさを連想させることができます。

カラーパレットはロゴやパッケージ、WEBサイトを始め、あらゆるデザインに活用されます。同じ配色が一貫して使われることで、視覚的なブランドイメージが統一され、ユーザーの無意識下でのブランド認知を促進する重要な要素となります。

デジタルデザイン

WEBサイトやSNSなどを主流にデジタルデザインはブランディングにとって最も重要な発信源の一つといえます。ロゴやカラーパレットといったデザイン要素を最大限に活かしつつ、ブランドの詳細な情報を伝えることができるメディアです。

企業サイト、商品サイト、キャンペーンサイトなど、目的に応じてデザインは変わってきますが、基本となるブランディングデザインは共通しています。ロゴの扱い方、カラーパレットの採用、タイポグラフィなど、一貫したデザインを貫くことで、サイト全体にブランドの世界観を反映させることができます。

加えて、動きのあるアニメーションやビデオを活用することで、ブランドの個性やストーリーをダイナミックに表現できるのも、WEBサイトならではの強みです。SNSにおいてはリアルタイムに企業のイメージをフィードデザイン、リール動画で訴求することができます。これにより、あらゆる角度から高い訴求力を持たせながら、ブランディングを発信できる場となります。


3.ブランディングデザインを構築する手順

ブランディングデザインを構築する手順は、以下の通りです。

  1. コンセプトを決める
  2. 言語化作業
  3. デザインの創造

1つずつ紹介していきます。

コンセプトを決める

ブランディングデザインを構築する際の出発点は、ブランドのコア・コンセプトを明確にすることです。つまり、そのブランドの核となる価値観や理念、ストーリー性を具体化することになります。

競合との違いを際立たせるためにも、自社ならではのブランドの個性や強みを掘り下げ、独自のコンセプトを設定する必要があります。製品やサービスの特徴、ターゲット層、企業理念などを踏まえて、ブランドメッセージを明確にしましょう。

このコンセプト設定の段階から、マーケティングやプロモーション施策への示唆を得られます。また、コアコンセプトに基づきデザインを構築することで、ブランドの世界観を視覚的に一貫して表現できるようになります。

言語化作業

次に、設定したブランドコンセプトを具体的な言語化・ワーディングに落とし込む作業が欠かせません。コンセプトの抽象度を下げ、デザインに反映しやすい形で言語化することが重要です。

ここでは、コンセプトに適したキーワードやキャッチフレーズ、商品やサービスの特徴を表すワーディングなどを綿密に検討しましょう。この作業には、デザイナーだけでなく、コピーライターやマーケター、プロデューサー、ディレクター、アートディレクターなど、さまざまな職種のスペシャリストが関与します。

これらの言語化作業を経て、デザインに反映させる際の指針が得られます。視覚的なイメージをブランドの核となるコンセプトを軸に展開することで、デザインとコンセプトの一貫性を保つことができます。

デザインの創造

ブランドコンセプトと言語化ができた後は、ついにデザインの創造に移ります。ロゴ、カラーパレット、タイポグラフィ、ユニフォームデザイン、パッケージデザイン、グラフィックデザインなど、ブランディングデザインを構成する要素一つひとつに、コンセプトの核となる価値観や世界観を反映させていきしょう。

この作業はデザイナーの感性と創造力が存分に発揮されるステージです。しかし、コンセプトを無視した独りよがりなデザインは避けなければなりません。言語化された指針に従って、ブランドメッセージを最大限に視覚化できるよう、絶え間ない検証や試行錯誤が求められます。

さらに、製品パッケージ、店舗の内外装、カタログ、WEBサイトなど、ブランディングデザインが展開される場所すべてにおいて、一貫したコンセプトが貫かれていることが重要になります。

デザインの完成度を高めつつ、世界観にブレがないよう徹底することが重要です。


4.ブランディングデザインで成功した事例

ブランディングデザインで成功した事例は、以下の通りです。

  1. Apple
  2. Starbucks
  3. GODIVA(ゴディバ)

1つずつ解説していきます。

【成功事例1】Apple

Appleは世界的に顧客から親しまれる企業であり、その成功の裏付けにブランディングデザインの力がありました。

まずアイコニックなロゴの「かじられたリンゴ」は、シンプルながらも象徴性が高く、一目で認識できるデザインです。製品のパッケージデザインもロゴとアプリアイコン以外は極めてシンプルに抑えられ、美しさと使いやすさを両立させています。

製品の配色では黒と白を基調に、アクセントとしてシルバーを用いる傾向があり、これがAppleらしさを象徴する要素ともいえます。同様の色使いはインターフェースデザインにも貫かれ、視覚的な統一感が生まれています。

さらにAppleストアの店舗デザインでも、木製の家具とモノクロのインテリアを基調にするなどスタイリッシュさを追求し、ブランドの世界観を体現しています。

【成功事例2】Starbucks

Starbucksは、世界中で統一されたブランディングデザインを展開することで、ユニークな空間体験を提供し、グローバルな認知を獲得しています。

中核をなすのが、渦を巻いた女性の像が描かれたセイレーンのロゴです。この図案は海の魅力を表現しており、ストーリー性の高さからインパクトを放っています。グリーンを基調とした配色も、フレッシュさと高級感を連想させる効果があります。

店舗デザインでは、このロゴとグリーンの色使いをベースに、木製の家具やアースカラーの内装が多く用いられています。

洗練された空間づくりを行いつつ、温かみのある雰囲気も大切にされています。更に統一されたユニフォームやパッケージデザインにより、サービス全体を通してブランド体験の価値が高められているのです。

【成功事例3】GODIVA

国際的なチョコレートメーカーのGODIVA(ゴディバ)。

GODIVAは世界各国に店舗が存在しますが、すべての商品をベルギーで製造し、品質の統一精度を高めていきます。さらに、職人の手による作業を多くしているのも特徴的です。手づくりであるという付加価値をつけております。

このような付加価値が「高級チョコの代名詞”」という認識を生み出しております。

ブランド拡張として、世界初のベーカリー店として「ゴディパン」を日本にオープンしました。ギフト需要(高級チョコの代名詞)から 「日常使い」 へのシフトを図ることに成功しました。

コンセプト・商品・店舗開発、各種ツールの制作等、全体設計を行い、「町のパン屋さん meets ゴディバ」をコンセプトに、日常に寄り添うような雰囲気で、ゴディバだからこそ表現できる、オリジナリティに富んだパンを取り揃えています。

ゴディバはブランド拡張をうまく活用し、既存のチョコでも高級イメージを維持しつつ、新たな市場であるパンに進出しています。

そこからゴディバが生まれたヨーロッパの趣と日本の町のパン屋としての温かさをテーマに、日常に寄り添った雰囲気の店内と伝統とモダンが混在する有楽町という街にオープンし、街、店内、商品一つ一つのデザインを構築することで成功したといえます。


5.まとめ

本記事では、ブランディングデザインとは何かについて深掘り解説してきました。

  • ブランディングデザインとは、ブランディング活動において、ビジュアル的な要素を戦略的に活用し、ブランドの独自性や個性を視覚化する行為のこと
  • ブランディングデザインの目的は「ブランドコンセプトの統一化」「ブランドの認知拡大」「ブランドの差別化」
  • ブランディングデザインを構成する大きな要素は「ロゴ」「カラーパレット」「WEBサイト」
  • ブランディングデザインを構築する手順「コンセプトを決める」「言語化作業」「デザインの創造」

本記事は以上です。
最後までご覧くださりありがとうございました。